特定非営利活動法人「日本スクールソーシャルワーク協会」SSWAJ(Sckool Social Work Association of Japan)
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「いじめに関する緊急提言」
日本スクールソーシャルワーク協会副会長 半羽 利美佳
 日本では、まだまだいじめの事実に目を背けようとする動きが根強いと感じます。いじめを「いじめ」という言葉で表現することを極力嫌い、うやむやな表現でごまかしてしまう。しかし、こうであるうちはいじめが減ることはない気がします。「いじめは起きるものである。」私たちはまずここからスタートしなければならないのではないでしょうか。いじめを隠すから、自殺という最悪の形にならないと表に出ません。それは今いじめられて苦しんでいる子どもたちにどんなメッセージを送ることになるでしょうか。
 自らの命を絶つという最悪の選択しか考えられなかった子どもたちの気持ちを考えると、居た堪らない思いがします。誰にも相談できず一人で抱え込んで、どれほどしんどかったことでしょう。大河内君の事件からちょうど12年。またこのような辛い出来事が連続して起こるという事態に、スクールソーシャルワークという子どもを守る活動を志している者として、目を背けるわけにはいきません。
 今回のいじめ問題を受け、文部科学大臣が子どもたちに宛てたメッセージを発表しましたが、ご覧になったでしょうか。そこには、
いじめられて苦しんでいる君は、けっして一人ぼっちじゃないんだよ。
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、きょうだい、学校の先生、学校や近所の友達、だれにでもいいから、はずかしがらず、一人でくるしまず、いじめられていることを話すゆうきをもとう。話せば楽になるからね。きっとみんなが助けてくれる。
(前半部分は省略)
と記されています。確かに、誰かに相談すれば、何かが変わったかもしれません。しかし、話せなかった子どもたちを責めることはできません。奇しくも私たちは2月に「子どもから選ばれる人に」という副題で研修会を開きますが、今回命を落とした子どもたちからは、私たちの誰も選ばれなかったということになります。いくら周囲に助けを求められる場所が物理的にあっても、実際に子どもたちがそこに辿り着けなければ何にもなりません。私自身、自分のスクールソーシャルワーカーとしての活動を振り返って、もし今いじめられている子どもがいるとすれば、そのうちの何人がちらっとでも私の存在を頭に思い浮かべてくれるだろうかと考えると、正直自信がありません。「子どもたちから選ばれる人」になる努力がまだまだ足りないと反省するばかりです。
 認めたくない事実ではありますが、「いじめは起きるもの」なのです。だからこそ、対策が必要です。その一つが「子どもたちから選ばれる人」になること、そういう人材が増えることだと思います。そして、子どもたちに選ばれたときに、子どもたちの期待を裏切らない行動をとること。それが何よりも大切であると考えます。
(2006年12月25日)
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